On My Class
(Sorry only in Japanese)
私の授業について




 

地球学類のシラバス参照


2007年に地球学類が創設されました。 大気科学分野の教授陣は当時は4名でしたが、世代交代が行われました。 教授陣の入れ替えにより、今では教授3名、准教授1名、助教多数となりました。

・地球流体力学

学術院共通科目です。地球科学の他、物理や工学で流体力学を学ぶ学生を対象に地球流体力学の講義を開講しています。

・フロンティアインフォマティクス特論A

システム情報工学研究群の授業で英語で開講しています。機械学習のひとつであるカルマンフィルターを講義します。

大気大循環論

地球規模の大気循環は大気大循環と呼ばれます。私の専門です。大気大循環モデルや4次元同化などの講義を行います。

・専門基礎科目 地学序説

他学類向けの入門科目で大教室授業です。

・大気力学

学群3年生向け授業です。大気の渦度や発散、ロスビー波、傾圧不安定論などの大気力学・熱力学の基礎を講義します。

・大気科学演習

気候学・気象学のアドバンストコースとして、各分野より詳細な 解説を行なうと同時に、卒業研究に向けて基礎的なガイダンスを行ないます。

・大気科学実験

測器の使い方、基礎的な観測法、天気図の解析、気象学における諸要素 の図的作業について、野外及び実験室において行ないます。 「大気科学野外実験」の基礎となるものです。 私は秋学期に登場し、物質の輸送拡散モデルや簡単な 天気予報モデルの実習をします。

・大気科学野外実験

平成29年度は菅平にて冷気湖の夜間観測を行いました。菅平盆地内にAWSやマイクロロガー温度計を多数設置し、 簡易係留気球を上げて冷気湖の成長を観測しました。私が担当の野外実験はこれが最後となりました。 その前の平成25年度には「富士山周辺の地上風系の観測」を行いました。この時は総勢38名で、 山中湖の湖陸風に伴う局地循環を観測するために 周辺に観測網を設け、この領域平均での発散と渦度を計測しました。 本観測は、富士山の山谷風に伴う局地風を観測するために、 周辺の14地点で観測網を設け、この領域平均での発散と渦度を計測しました。
Google Earth
に観測された風ベクトルを重ねた図を紹介します。 富士山周辺の地上風系を見ると、南東から吹き込む海風が富士山で分流し、河口湖の西付近で 収束する風系が観測されました。これをMODIS画像と比較すると、南東に海風が富士山による上昇気流となって発生する雲域があり、富士山を迂回して収束する風下に もう一つの列雲域があります。旗雲の一種で、地上風系と整合的です。この日は富士山周辺の14地点で同時にスマホで雲写真のパノラマを撮りました。 富士山周辺の雲の様子が360度の立体映像のように浮かび上がりました。

その前の平成21年度には福島県下郷町の中山風穴の風穴循環の観測をしました。 以前、大学院の野外実験では韓国ICE VALLEY巡検を行いましたが、 そこで解き明かされなかった風穴の謎を解明する ために、ICE VALLEYに最も条件が近い安山岩累石風穴として有名なここ 中山風穴を観測対象に選びました。 気象関係者のみならず、地球科学の地形学・ 水文学の著名な先生方にも声をかけて地球科学の一現象として、その謎を解明しました。 平成13年度に私が担当したときは、春6月と秋11月の2回に分けて中山に巡検に 行きました。春の観測では温風穴からドライアイスを流し込み、崖錐内部の 循環速度が3cm/秒、対流時間が1.5時間であることを解明。冬の観測では 上向き地中熱流量が150W/m2もあり、中山の至る所に温風穴があることを サーモグラフィーを使って解明しました。 平成16年度は地球シミュレータを用いた共同研究に参加し、 NCEP/NCAR, ERA-40, JRA-25, CCSR/NIES, AFESのローレンツエネルギーサイクルや Saltzmanサイクルの計算を行いました。 平成15年度は教官全員で、学群野外実験と合同で、夏に下層ジェット気流の観測 を行いました。 私は平成12年度には、アラスカ大学の国際北極圏研究センターに行って、 ツンドラを歩き、氷河を調査し、セントへレンズ火山の現地調査を行いました。 その前は夏になると山の斜面で氷が発達するという 韓国の不思議なICE VALLEYの観測を行ないました。 日韓共同研究という形で日本側から8名、韓国側から7名の参加があり、 観測の様子はフジテレビで放送されました。

・その他

この他にも、G30対象の講義や地球学実験にひょっこり顔を出す予定です。 地球学実験で行っていたカオスの実験を今はG30の学生を対象に英語で担当しています。

1995年から2004年までNHK教育番組を担当。 以下はなつかしの思い出になりました。 最近は、プレカレッジやスーパーサイエンス スクール企画で、複数の高校にて出前授業を行っています。また、 文科省検定高校教科書の地学基礎(実教図書)の執筆者のひとりです。念願の教科書が発刊されて嬉しいです。放送大学の非常勤講師を始めました。 平成26年度は15コマの番組収録を行い、「はじめての気象学」という教科書を東大の伊賀先生と執筆しました。平成27年度の7月からから6年間、このテレビ番組が放送されました。 令和2年度は再集録を行いましたが、コロナ禍でロケはすべて中止となり、古いロケの映像の使いまわしになりました。令和3年から8年まで放送されます。 また、平成29年6月には「地球大気の科学」共立出版を発行しました。高校「地学」教科書、学群での大気科学、大気力学、大学院での地球流体力学の講義内容をまとめた教科書です。 令和2年(2020)には Springer Nature からModal View of Atmospheric Variabilityという英文専門書を発刊しました。これは3次元ノーマルモードを用いた大気大循環研究の集大成です。 令和4年度が最終講義となります。



かつての「NHK地学番組」と放送大学「はじめての気象学」の様子 




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